Robotics & Intelligent Systems Lab
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 衛星姿勢制御用アクチュエータのひとつにコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)があります.最も基本的なCMGは,定速回転させたロータをスピン軸と直交する軸回りにジンバルさせることによって生じるジャイロ・モーメントを制御トルクとして利用します.
 CMGは大トルクを発生可能であることから,これまで宇宙ステーションなどの大型宇宙構造物に使われてきました.CMGのさらなる用途として,天体観測衛星や地球観測衛星に応用し,CMGの特徴である大トルクを活かして,高速姿勢変更機能を実現しようとする研究が盛んに行われています.本研究室でも,CMGの研究を行っていますが,その特色は,CMGの欠点である
内部擾乱の特性を解析し,CMGの改良や姿勢制御系での補償法に役立てようというものです.
 内部擾乱とは一般に,衛星に搭載した機器の発生する不要な力やトルクのことをいいます.CMGの場合,その内部擾乱は,ロータの質量不均一性やジンバル軸の制御誤差によるものが考えられます.本研究室では,こうした内部擾乱の数理モデルによる解析,実測手法の確立,擾乱補償法の研究などに取り組んでいます.
 本研究によって,衛星に高速姿勢変更機能だけでなく,姿勢変更後の高安定化の機能も備わることが期待されます.このことは,天体観測衛星や地球観測衛星の観測効率の向上,さらには新しい衛星ミッションの創出に繋がるものと考えています.
擾乱アイソレータ付CMGアセンブリ
のイメージ図
コントロール・モーメント・ジャイロ (CMG)
空気浮上式擾乱測定装置
(宇宙航空研究開発機構総合技術研究本部が所有)
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