液中プラズマ利用技術研究
液中プラズマ利用技術研究は,愛媛大学工学部,理学部,農学部,総合支援センターの協力によって,2002年に発足した愛媛大学プロジェクト研究の一つです。
本プロジェクトでは,プラズマ理工学,化学工学,熱流体工学,電磁波・高周波工学,音響工学などをベースとした研究者の共同研究によって,液中プラズマプロセス,ソノプロセス,レーザー計測技術などの研究開発が進められています。
化学蒸着法
ダイヤモンド状膜(DLC)
物質へのコーティングにより,非常に硬く,滑らかな表面が得られるので,物質の接触による摩擦を軽減することが出来ます。機械部品の耐摩耗性,耐蝕として利用されます。
DLC膜のSEM写真 断面プロファイル
(ドデカン,100hPa,プラズマ発生時間3分)
多結晶シリコンカーバイド
現在の半導体の材料として主流であるシリコンに比べて,より厳しい環境においても安定しています。そのため,次世代半導体素子として期待されています。
多結晶膜SiCのSEM写真 X線回折測定結果
(シリコンオイル,25hPa,プラズマ発生時間1分)
ダイヤモンド
ダイヤモンドは最も硬く,高熱伝導性,耐熱性,電気絶縁性など様々な特徴を持ち,地球上に存在する最高品位の材料の1つである。アルコール中でプラズマを発生させるとダイヤモンドの高速合成が可能となります。
(メタノール、蒸着面直径3.5mm、600hPa、合成時間3分)
液中触媒CVD法
ナノテクノロジーとして,エレクトロニクス分野をはじめ,広く利用が期待されているフラーレンやナノチューブなどの大量合成が期待されます。
カーボンナノチューブのSEM 写真 ナノチューブのラマンスペクトル
(フェロセン含有ベンゼン溶液+Fe担持ゼオライト,大気圧)
燃料ガスの製造
水や有機溶媒,工業廃液中でプラズマを発生させることにより,水素などの燃料ガスを製造することができます。廃液や有害物質の分解処理技術と併用することができます。
廃液連続処理型プラズマ反応炉
超臨界プラズマ
次世代の反応溶媒として利用が期待されている超臨界流体でプラズマを発生させ,機能性と制御性を満たすプラズマプロセスを提案するとともに,そのメカニズムを明らかにしていきます。
超臨界二酸化プラズマの発生 (圧力20MPa) |
超臨界二酸化炭素プラズマ中で生成された 炭素皮膜タングステンナノワイヤー |
液中プラズマプロセス装置
エネルギーの供給源は,マイクロ波や高周波などであり,特殊な大型装置を用いることなく,室温大気圧中でプラズマを発生させることが可能です。
液中プラズマ化学蒸着装置 | 高圧力型液中プラズマ発生装置 |
連続処理型液中プラズマ反応装置 | 汎用電子レンジを利用した液中プラズマ発生装置 特許第3769625号 韓国特許第10-0934139号 |