研究内容
カーボン材料の破壊靱性計算・評価
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H26年度JKA補助金による研究成果内容
研究責任者 教授 岡本 伸吾

 炭素繊維の圧縮・せん断強度計算

炭素繊維を用いたCFRP(炭素繊維強化樹脂,Carbon Fiber Re-inforced Plastics)からなる構造物は軽量で高強度であるため,航空機,自転車,自動車などの輸送機器の機体や車体に用いられている.炭素繊維は,引張強度が大きい(繊維の軸方向の引張りに強い)ことは周知の事実であるが,圧縮強度やせん断強度は引張強度に比して低いと言われている.従って,CFRP構造物では,炭素繊維にできるだけ引張力が働き,圧縮力やせん断力が働かないように設計・製造される.しかしながら,複雑な構造物では,構造物のどこかに圧縮力やせん断力が働くことになる.このような場合には,炭素繊維の高い引張特性を有効に活用することができない.本研究の結果、高圧縮強度・高せん断強度炭素繊維の構造が解明できれば、材料設計に関してより明確な指針を得ることができる.
平成26年度は炭素繊維モデルの圧縮およびせん断のMD計算を行い,炭素繊維のナノ構造が圧縮強度・せん断強度に与える影響を検討した.





Fig.1 PAN系炭素繊維の圧縮のMD計算