研究内容
カーボン材料の破壊靱性計算・評価
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H25年度JKA補助金による研究成果内容
研究責任者 教授 岡本 伸吾

 カーボン材料の破壊靱性計算・評価

材料を破断させるのに必要な応力が強度であるのに対し,亀裂を進展させるのに必要な応力拡大係数(亀裂先端近傍の応力場の特異性の強さを表すパラメータ(値が大きい程亀裂の進展に対する抵抗大))が破壊靱性値である.実際のカーボン材料はマクロ欠陥(亀裂)を含む場合が多く,一般に高い引張強度を有する材料は低い破壊靭性値を示す傾向がある.材料開発においては,引張強度,破壊靭性値両方をバランスさせる必要があり,カーボン材料の破壊靱性値を精度良く求めることが重要である.しかしながら,実験で求めた破壊靱性値は,実験条件により値のばらつきが大きくなるため,破壊靱性値を再現性良く求めることは困難を伴う.本研究の結果,カーボン材料破壊靱性を理論的に評価することができれば,再現性のよい破壊靱性値の予測が可能となる.その結果,材料設計に関してより明確な指針を得ることが可能となる
 平成25年度はラマンシミュレーションを用いた炭素繊維モデルの妥当性検証,破壊靱性地予測のための分子動力学+連続体モデルの解析手法の検討を行った.