観測衛星によって地球表面や天体の画像を取得する場合,その空間分解能を決定する一要因として,露光時間中のターゲットに対する観測機器光軸の相対的な揺れ幅が挙げられるます.したがって,空間分解能を向上させるには露光時間短縮が有効であるといえますが,信号雑音比(SNR)の劣化を防ぐため,光学系を高感度化する必要が生じます.また,衛星姿勢の高安定化も空間分解能向上に有効であるといえますが,姿勢制御系を高度化する必要があり,この場合もやはりハードウェアの改善が求められます.このようなハードウェアの改良に努めるとともに,これらの特性を踏まえ,ソフトウェアの改善を図ることが,効果的な空間分解能向上には重要です.
本研究では,ソフトウェアの改善によりSNRの劣化を抑制した状態で空間分解能の向上を図る画像処理手法について,検討を行っています.